広める・伝える活動:有機農業の技術

2020/07/29

ほたる醸造へ取材へいきました!


皆さんこんにちは!鹿児島は梅雨開けしましたね✨夏本番といってももう毎日暑さでどうにかなりそう・・

体調もキープが難しい季節でもありますね。

 

今年は新型コロナウィルスの発生で、生活を見直したり、自分自身と向き合う時間も多かった、、

というか向き合わざるを得なかったかもしれません。

 

 

いかに当たり前の生活が当たり前ではなかったということ。そんなことを感じた方、多かったのではないでしょうか。

 

 

また、「健康」についてしっかり見直す時間ともなったとも思います。

 

 

どこかで、わかってはいるけど、と思いつつ自分自身の体をいたわるのを後回しにしたり、見て見ぬふりをしていましたが、この状況なので、健康管理をしなければ!と思うようになり、そんな中で過ごしているとよく耳にしたキーワードが、

 

「免疫力」。

 

 

新型コロナウィルスが云々の前に「免疫力」は大事!

 

 

ということで、今回の広報誌では「発酵食品」に注目し、お味噌を作ってらっしゃる「ほたる醸造」様へお邪魔してきました!

(ほたる醸造の小城さん)

ほたる醸造様は1996年創業しており、社屋は築80年以上の小学校(南方小学校)の木造校舎を移築して作られています。

 

綺麗な水が豊富な処ということもあり、水は湧き水をひいてらっしゃいました。写真は暗いですが、冷たくて本当に綺麗。

 

こんな素敵な環境が鹿児島市内からほんの30分くらいのところにあり、そこで美味しいお味噌を作ってらっしゃるほたる醸造さん仕込みのお味噌を教えていただけて嬉しかったです。

 

ぜひ、たくさんの方にも知ってもらえるように、自宅でできる味噌作りを基本に習ってきました!

 

 

しかし!

詳細は広報誌でご紹介いたしますので、楽しい味噌作りの様子をまずはご覧ください(笑)

 

2キロ仕込みをして、味噌の面倒は理事の浜地さんへ託しました。

夏場は暑いので発酵が早く2週間程でできるそうです。

7月17日に仕込みましたのでそろそろできているのかもしれませんね。

気になります(笑)

 

 

小城さんが丁寧にご指導してくださり、え!?もうこんだけで仕込み終わりですか!?という感じでした。

 

 

今回の味噌作りは、手軽に簡単にがテーマということもあり、麹はできているものを今回は使用しました。

 

 

中々ハードルが高いとやってみたい!と思っていても進まないものですよね。なので、気軽に手に入る材料で作っています。

 

 

そして、味噌を取り入れやすい「味噌玉」作りもしました!

 

 

お湯をそそぐだけで、お味噌汁が飲めちゃいます。

発酵食品を手軽に取り入れちゃいます。

まとめて冷凍しとけば、ささっと食卓にだせちゃいます。

 

 

言ったらキリがない!ほどいいところだらけの、お手軽簡単おいしい味噌玉。

 

 

広報誌ではオリジナルレシピを紹介しておりますので是非試してみてください!

え?これいれたの?ていう食材も、案外美味しくておススメとなりました🍅(笑)

 

 

作り終わったらもちろん実食です。

 

 

味はちゃんとお味噌汁!見た目もお麩が浮いてたり可愛いではないですか。子供が喜んで飲んでくれそうです。

 

 

こんな暑いと火を使うのも億劫なので、是非試してほしいと思います。

 

 

最後になりますが、色々準備もぬけが多く、小城さんにはご迷惑をおかけしてしまったのですが、快く取材を進めていただき感謝いっぱいでした。

 

 

小城さんは味噌作りのWSも積極的に行っており、味噌の魅力をわかりやすく楽しく教えてくださいます。

 

 

お店ものどかなところにあり、この暑い季節にイチオシの(個人的に(笑))甘酒プリンも是非食べてみてください!!

 

 

味噌作りのあとに甘酒プリンをいただき、すっかり虜に🍮

ほたる醸造のHPに詳しい商品も掲載されておりますので要チェックです!

小城さんありがとうございました。

 

 

〒891-1103
鹿児島県鹿児島市川田町1372-1

電話:099-298-8675

fax:099-298-7205

HP:ほたる醸造

 

2020/07/13

「ここくの味噌づくり」


協会の広報誌オーガニックの取材で宮崎県清武町で無添加の味噌を製造する「ここく」の加藤さんを訪ねた。

加藤さんは元々農家でも味噌作りの家に生まれたわけではない。純粋なIターン者だ。

 

 

 

昭和51年に浜松で生まれ、富山大で法学を学ぶも、空前の就職氷河期の渦中に巻き込まれ、大阪で改めてアルバイトをしながらデザインの専門学校へ。そこから大阪や東京のデザイン関連の事務所を渡り歩きスキルと人脈をあげて行き、ついには大手化粧品会社から直接注文がくるような一流のクリエイターに。

 

 

 

目が回るような忙しい日々に充実感があったが、いつの間にか自分が作ったデザインの空虚さに気づき、虚無感に襲われるようになった。例を挙げるとすればウェブサイトや映像って、手に持つことができない。重さがないという事実。その感覚が虚しかったのだ。

 

 

 

そんな時に奥さんの実家である宮崎の空港でふと手にした「スローフード」に関する本に出会い、食生活や健康などといったこれまで興味すらなかった分野の情報に新鮮さを覚えた。そして食や健康、環境などの状況に問題が山積していることに気づく。問題解決が職責であるデザイナーの本能から、食や農業のことを調べ、思索する日々が続き、ついには「自分で行動するしかない。」という結論に至った。

 

 

そして宮崎に移住して農業を始めることを決めた。

 

綾町の有機農家で研修を受けた後、就農。そこから加藤さんの戦略的実践が始まる。

 

 

 

どうやったら一人で管理し(奥さんは別の仕事がある)、農産物に付加価値をつけて経営が維持できるか、、。

 

 

考えに考えた末に、品目を麦と大豆に絞り、さらに味噌として加工すれば、商品として形にできてパッケージデザインなどの自分のスキルを活かすことができると考えた。

 

 

加藤さんはさらに高みを目指す。まずはタネ探しから始めた。

 

 

麦も大豆も宮崎の在来種にこだわり、椎葉村に伝わる「はだか麦」、高千穂に伝わる「麻尻大豆」を自分の足で探し当てた。

秋に麦を蒔き、春に麦を穫った後に、大豆を蒔くという輪作栽培。

 

 

 

しかも無肥料・無農薬により140アールの広大な畑で栽培することに成功。大豆の根に共生する根粒菌による空気中の窒素を固定化する作用のみで麦の成長を求め、麦の藁は全量漉き込んで肥料とする無施肥栽培を確立している。

 

 

さらに驚きは、味噌づくりで欠かせない「塩」さえも、自ら青島沖の海水を汲み上げて薪と平釜で2日間煮詰めて製塩まで自分で行なっていることだ。

麦麹を作る工程以外は、全て自分の手で作り上げるこだわりはもう驚くしかないほどで、しかも全ての工程、管理をたった一人で行っている。さらに注文があればデザインの仕事も行い、2人の子供を含む家族の夕食も加藤さんの担当だ。まさにスーパーマンだ。

 

 

普通、1町歩(1ヘクタール)以上の農作業だけでも一般人は管理するだけでも精一杯のところ、無肥料・無農薬で作物を育て、加工品の製造、塩作り、パッケージやチラシなどの広告のデザイン・ブランディングまでたった一人でこなす。

 

 

「そんなことできるわけがない。」とよく言われるらしい。

 

 

当然のことだと思う。しかし長いデザイナー時代に苦労した経験から、徹底的に調べ、考え、問題を解決するソリューション力によって、生活の流れ全てを「デザイン」することで乗り切っている事実はまさに驚愕に値する。

 

 

加藤さんはこれからさらに自家製醤油の醸造や切り干し大根などにも挑戦していくという。

 

 

今は味噌づくりのワークショップや自家製の野菜と一緒に味噌を都会人に届ける宅配も月一回実践しながら、「ここく」ブランドのファンを獲得することに努めている。

 

 

自分一人の「個」の世界だけでなく、人と人が手を携えていける社会を目指して動いていけたら。加藤さんは未来を見据えている。

 

素材とつくる過程にこだわりぬいてできた味噌は、塩分が控えめで、豆の味が濃い、コクと香りが共存する美味しい仕上がりになっている。添加物も使っていないため、生で食べても舌がピリピリすることなく美味しくいただける。

 

まずはこの味噌を食べて欲しい。きっとそこに全ての答えがある。

 

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(取材:浜地克徳 2020年7月10日)

2020/07/03

2020年6月発行Vol.85